4月の人事異動で、3人の附属小教員が強制的に公立小に出向となりました。
大学法人の教職員と公立学校教職員の場合は、雇用のしくみが違うため、労働条件には様々な違いがあります。
前回、労使の36協定規定を超える超過勤務について投稿いただいた元労働基準監督官の方に、公立学校における教職員の健康に関する法規についてアドバイスしていただきました。
公立の小・中学校・高等学校の教職員に対する労働安全衛生法の適用
副題:健康診断実施と実施後の「医師等による意見聴取」・就業上の措置等を中心に
公立の小中高等学校(以下「公立学校」)の教職員の方々にも労働安全衛生法(以下、「安衛法」)、労働安全衛生規則(以下「安衛則」)が適用され、文部科学省から発出されました。
●「学校における労働安全衛生管理体制の整備のために(第3版)(平成31年4月)の他各種通知・通達等にも依拠しながら、健康確保措置等が講じられているものと推察します。
筆者は、元労働基準監督官ですが、公立学校の教職員の方々に対する安衛法の遵守状況等に対する指導・監督権限がないため(人事委員会等がその役割を担っているものと理解しています。)、直接の接点はほとんどないですが、この度、ご依頼により、特に副題に掲げたテーマに限定して、これまでの実務経験等の中から、教職員の皆様方の今後の取組において、参考となるものがないかどうか、という観点から以下のとおり投稿させていただきました(なお、安衛法では、同法第2条第3号で措置義務の主体は、「事業者」とされ、事業者とは「事業を行うもので、労働者を使用するものをいう」と定義され、法人であれば、当該法人(当該法人の代表者ではない)、個人企業でれば、事業経営者を言うとされています)。
例えば、(重大な)労災事故等で法違反が認められれば、検察庁に送検することが行われていますが、法人を例に取ると、代表取締役又は、企業規模や権限移譲の関係で工場長や現場責任者、所長などを立件対象とすることもあります。
実行行為者とともに両罰規定を適用して法人にも処罰を求め、法人は自然人ではないですが、有罪となれば前科が付きます(以上は、代表的なパターンですが、例えば共謀関係なども含め、立件対象がいくつかのパターンに及ぶことがあります)。
なお、健康診断関係では、健康診断の実施義務違反(安衛法第66条)、健康診断結果の記録義務違反(安衛法66条の3)、健康診断結果の労働者への通知義務違反(安衛法66の6)が立件対象の可能性のある条文です。
※公立学校の場合、責任の所在を含め、安衛法の履行確保についてどのような仕組みになっているのでしょうか。
以下、労働基準監督官の監督指導権限が及ぶ事業場に対する行政指導の中で気づいた点をご紹介します。なお、本稿中意見にわたる部分は、個人の見解です。
1 健康診断について(特殊健康診断を除く一般健康診断を中心に)
① 安衛法では、企業には、毎年1回、定期的に医師による健康診断の実施を義務付けており(短時間勤務や常時性等により、一部努力義務等に留まるものもある。)、更に事業場単位で50名以上の労働者を雇用するところは、その実施結果につき、所轄労働基準監督署への報告(定期健康診断結果報告)が義務付けられています。
そして、定期健康診断を実施した結果、「異常の所見」があると診断された労働者については、医師又は歯科医師(以下「医師等」)から健康診断が実施された日から3か月以内に「医師等からの意見聴取」を行い、聴取した内容を健康診断個人票に記載することとされており(労働安全衛生法第66条の4・労働安全衛生規則第51条の2)、事業者は、異常所見のある労働者に対しては、当該労働者の健康を保持するために医師等の「意見」を十分に勘案し、就業区分に応じて、就業上の措置を講じなければならないとされています(具体的には、インターネットで検索可能なリーフレット「厚生労働省:健康診断を実施し、事後措置を徹底しましょう」より一部以下のア~イのとおり引用しました。
※是非上記リーフレットを検索し、全体に眼を通して下さい。
ア 就業区分➡通常勤務 就業区分の内容➡通常勤務でよい
イ 就業区分➡就業制限 就業区分の内容➡勤務に制限を加える必要のあるもの 就業上の措置の内容➡勤務による負荷を軽減するため、労働時間の短縮、出張の制限、時間外労働の制限、作業転換、就業場所の変更、深夜業の回数の減少、昼間勤務への転換等の措置を講じる
ウ 就業区分➡要休業 就業区分の内容➡勤務を休む必要のあるもの
就業上の措置の内容➡療養のため、休暇、休職等により一定期間勤務させない
② 新型コロナが蔓延した前後の5年間(定年退職後の再任用期間中)、各事業場の臨検監督を実施した結果から、健康診断については、
ア 安衛法に基づく健康診断を全く実施していない。
イ 過去労働基準監督官から是正勧告を受けた際は実施したが、その後未実施。
ウ 実施をしているが、実施項目に一部不備がある。
エ 全項目実施している。
オ 新型コロナの時期は、医療機関の受け入れ体制もあり、1年を超えて実施していた。
カ 法定項目に加えてオプションで労働者の希望により、追加の項目も含めて実施している(法定以上)。
と大まかに分類できると考えられます。
また、健康診断を実施していても、「医師等からの意見聴取」を実施していないところは少なくないという実感を持っています。
医師等による意見聴取は、規模50人以上の事業場では産業医が、50人未満の規模では、産業医の選任義務がないため、地域産業保健センターに申し込んで実施しているところが一般です(例外有り)。
健康診断は、法定の項目を充たせば、実施医療機関に制約はないですが、事業場では、
ア 異常なし
イ 要経過観察
ウ 要再検査
エ 要精密検査
オ 要治療
といった「医師の診断」と「医師等からの意見聴取」とを混同しているところが時々見受けられます(上記ア~オは、医師の診断(判定)であって、医師等からの意見聴取結果ではない)
当然、定期健康診断実施後の医師等による意見聴取実施義務違反は、安衛法66条の4(安衛則51条の2)に基づく是正勧告の対象となります。
なお、地域産業保健センターは、産業医を選任する義務のない小規模事業場及び当該事業場の労働者に対する産業保健サービスを充実させることを目的として、労働者数50人未満の事業場の労働者の健康管理等に係る援助を行う、安衛法19条の3に基づき行われる国の援助の一部として行う事業として位置づけられており、おおむね全国の労働基準監督署の管轄区域に設置されており、独立行政法人労働者健康安全機構が運営しています。
2 医師等からの意見聴取の内容
① 概ね
〇通常勤務可(通常勤務でよい)
〇就業制限(勤務に制限を加える必要があるもの。例えば、労働時間の短縮、出張回数の制限、深夜業の回数の減少、作業の転換、時間外労働の制限など)
〇要休業(療養のため、休暇休職等により一定期間勤務させない)
になります。
大抵は、通常勤務可が多いと思います(誰でも大なり小なりひっかかる項目はあります)。
医療機関とのとの間のオプション契約で「医師等からの意見聴取」を実施している事業場も少なくありません(健康診断結果後の「医師の診断・判定欄」と「医師等からの意見欄」を別枠(欄)に分けて分類している)。
事業場によっては、医師等の意見聴取義務違反について労働基準監督官から是正勧告を受けた場合、改めて地元の事業場を管轄する地域産業保健センターで追加実施し、次年度からは、忘れないように地域産業保健センターに申し込む(無料)か改めて、医療機関と契約する際に、医師等からの意見聴取も追加する方法(有料のところが多い。)で改善を図るというところもあります。
② 「公立学校における労働安全衛生管理体制の事例集」の「事例2 川崎市教育委員会の取組」
インターネットで上記取組を見つけましたので、検討した内容を紹介します。
ア 川崎市は、政令指定都市で、川崎市教育委員会は令和3年度で、小・中・高校および特別支援学校が計179校あり、教職員数約6500人以上とのことです。教育委員会内に教職員の健康管理に係る専従組織「健康推進室」を設置し、学校職場への巡回相談・職場巡視による「健康推進室」と学校職場とのコミュニケーションの促進 健康推進室への相談窓口の一元化、産業医に職場巡視に際しての問題点の指摘だけでなく、好事例の集約と市内の学校への水平展開(例えば、場面は違いますが、民間企業でも例えば全国規模の企業などは、事業場で発生した労働災害について、当該発生事業場に留まることなく、労働災害発生状況、原因と具体的に講じた対策について水平展開しています(筆者注:水平展開は一定の波及効果が期待され、重要な取組と思います)の実施
イ 「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」に基づくメンタルヘルス対策の具体策
ウ 規模50人未満の産業医選任義務のない職場にも「職場安全衛生検討会」を年に2回実施による定期的な取組の促し
などの他、
エ 医師等からの意見聴取実施後の「就業上の措置」については、「教員、事務職員、現業職員」の別に、「所見・傷病」、「事後措置の例」を示しています。
例えば、教員の方でメンタルヘルス不調の「所見・傷病」の方に対する事後措置として、校務分掌の低減、校外活動の回避、複数担任、通院の時間の確保等
その他、未治療の高血圧の方に対する体育の授業制限、準高所作業(掲示作業)制限
等実態に沿った就業上の措置が職種区分毎に示されていました。
※公立学校の方々に対しては、産業医の選任義務がない規模のところの方が多いのではと推測しますが、この場合の代替する取組や仕組みはどのようになっているのでしょうか。
「参考」
医師等からの意見聴取実施義務等の安衛法改正の契機となった京和タクシー事件(京都地裁昭和57年10月7日判決、名古屋高裁平成9年7月25日判決、最高裁平成13年4月26日判決)につき、分かりやすく解説された書籍がありますので、以下のとおり一部引用し、紹介します。
「タクシー運転手として採用された原告は、入社時に雇入れ時健康診断を実施した時点で、「左肺浸潤」の診断が出ていたが、本人に告げずに採用し、運転手として勤務させて約半年後に定期健康診断を実施したところ、結核に進展していたという事案。その結果その運転手は約3年間就労できなくなり、損害賠償としてその間の賃金相当額を請求したが、その請求はほぼ主張どおりに認められた。判決は、使用者が健康診断の結果を労働者に告知し、治療の機会を与えるべきであったこと、医師にその結果を聴取してその指示に従った適切な就労上の措置を講じるべきであったと判断した。
この判決は、その後の法改正に反映され、使用者は単に健康診断を実施すればよいのではなく、それを活用し、労働者の健康管理に使わなければならなくなったものである」(弁護士外井浩志『よくわかる労災補償と裁判~安全配慮義務と安全衛生管理』(中央労働災害防止協会,98頁)
3 「法定の健診項目は、その労働者の健康状態の一部を現わしているに過ぎない」という指摘
① 元労働基準監督官 現在弁護士をされている方(上記2の「参考」欄で引用した弁護士のある著書での指摘(当該書籍は昔読んだもので、手元に見当たりませんが、明確に記憶に残っています)です。
例えば、直ぐに思い浮かぶのは、法定の眼に関する検査項目は、視力しかないことです。この点についてある機関が実施するズームで緑内障との関係で質問しましたが、眼科の専門医ではなく、確か「視力が弱いと緑内障に罹患しやすい。」といった説明だったと思います。視力が悪いと緑内障に罹患しやすいことは確かと思いますが、緑内障は、(専門医による)眼底検査と視野検査を実施しないと進行の程度を含め確定診断出来ないと思います。
インターネットで検索すると、「緑内障になる詳しい原因は分かっていないが、なりやすい人の特徴として「血縁者(父母・祖父母)に緑内障の方がいる人、糖尿病、強度近視、ステロイドホルモン剤の内服・吸入の経験がある人、目に外傷を受けたことがある人の他、高齢(60歳以上)、高血圧や貧血の人、やせ型の男性なども可能性が高いと」指摘されています。」
正常眼圧で緑内障に罹患している国民も大勢おられるとの指摘もあります。また、ある眼科医がインターネットで「視神経の強さには個人差、日本人の緑内障患者の7割は正常眼圧、40歳になったら「眼底検査を」」と啓発されています。
ある事業場の臨検監督を実施した時、零細企業でしたが、法定の健康診断項目だけでなく、緑内障の疑いがあるかどうか判る検査も実施しており(どのような経緯で「視神経乳頭陥凹の疑い」と判定されたかは忘れましたが。)、
健診結果に
●視神経乳頭陥凹の疑い
と書かれていました。ただ、事業主はこれが緑内障の疑いであることを知らず、緑内障の病気の怖さなどを説明したところ、10日位で当該労働者に視野検査を実施させた上で、その結果を持って報告に来ました(今のところ視野に異常はないが、毎年、1年に一回視野検査に来るよう指導を受けたという内容でした)。
なお、当該労働者は、現場でアーク溶接を行っている方でした。
臨検監督時に定期健康診断個人票を必ず見ますが、事業場がオプションで実施した結果、「視神経乳頭陥凹の疑い」と書かれた結果書類を見た場合は勿論そうでない場合でも、一般的な説明を通じて、個人的にはこのような啓発に努めていました。
②「視神経乳頭陥凹の疑い」と書かれていても通常この文字からは、意味が分からないと思います。「視神経乳頭陥凹の疑い」とか素人が読んでも意味の分からない用語を使わず、医療界は、検討の上、もっと分かりやすい言葉で伝えるよう改めるべきと思っています。
③企業では、法定の定期健康診断だけでなく、オプションで胃のバリウム検査他複数の追加の受診項目を示し、受診を促しているところも少なくありません。
例えば、胃のバリウム検査に関しては、ある労働者から
「事業主から(オプションの)胃のバリウムの検査の受診を強く言われているが、自分は受けたくない。法律上強制されているものか」
という趣旨の質問・相談を受けたことがありました。
法定の検査項目ではないので任意であることを伝え、受診したくない理由について聞いたところ、
「私の親友に医師がいます。その医師は、人には勧めても自分は絶対にバリウムを使用した検査は受けない。なぜなら、バリウム検査の被ばく量が非常に高いから。」
と説明されたからとのことでした。
4年か5年前の相談でしたが、相談後、インターネットで検索したところ、バリウム検査を発明した人との間の何か利権のようなものがあり、やめることが出来ない主旨の内容だったと思います。丁度その頃、地元紙である医師が胃カメラと胃のバリウム検査との長所・短所を表にして分かりやすく説明している記事を見ましたが、改めて本件投稿に当たってインターネットで検索すると、
●「医師は受けないバリウム検査がなくならない訳」(胃カメラのがん発見率は1000倍高い)
と題して、予防医療に力を入れるMYメデイカルクリニックの笹倉渉院長へのインタビュー内容が掲載されていました。
ア 胃のバリウム検査は、「厚生労働省のがん検診の指針」で胃部エックス線検査又は胃部内視鏡検査のいずれかとする。として残されていること。
が胃のバリウム検査が無くならない理由であること。
イ 胃部内視鏡検査の方が優れていること。
ウ 胃がんの死亡率は下がり続けている。最近では、(早い時期から)中学生に向けてピロリ菌検査を取り入れている自治体も増えてきていること。
について指摘され、「いずれはピロリ菌検査が健診項目に盛り込まれるかもしれないでしょう。」との期待も寄せられています。
ピロリ菌検査と除去は、無痛・簡易ですし、追加の法定健診項目に加える改正も必要と思いました。
昔と違って、胃カメラや大腸カメラは、麻酔によりほとんど(全く)無痛で検査できる時代になっています。
「安衛則の法定健診項目は重要な部分を網羅している」とその検査項目に高い評価をされていた医師もおられましたが(ある会議での事)、法定の項目だけでなく、任意で検査項目を選ぶに当たって、衛生委員会などで医師の健康講話などを随時テーマを変えて実施し、講演内容を録画の上、ズームなどで教職員の方々も空いた時間に視聴できるような取組なども重要と思います(企業の担当者に推奨したこともありました。講演内容の文字起こしによる後日供覧・閲覧だけでは、読まない方もおられるので、パソコンによる視聴と視聴した旨の結果報告を求めるのが効果的と思います。)。
4 個人情報と法律(安衛法)以上の取組について
① 個人情報保護法が施行されるずっと以前ですが、B型肝炎に関する医療機関からの相談内容をご紹介します。
相談内容は、「新規に採用する看護師にB型肝炎の検査を実施したいが、どのような点に注意すればよいか。例えば注射の針刺し事故で看護師がB型肝炎に罹患したことが分かった場合、元々当該看護師が採用以前に罹患していたものか、あるいは、針刺し事故の際に(患者から)罹患したものかどうかを判断したいため。」というものでした(何十年も前の相談でしたので、正確性に欠けるかもしれませんが)。
必要性について十分説明し、同意を取るように助言しました。
なお、安衛法では、明文で健康診断の取り扱いに従事する者に対する守秘義務が罰則付きで課されています。
② 建設業の下請け労働者の健康診断結果と元請けの個人情報の取り扱いの対応について
個人情報保護法が制定・施行される前後の5年間、現場の労働基準監督署ではなく、労働局の監督部署に勤務していた時期がありました。5年経過後、労働基準監督署次長として現場に戻り、建設現場の監督に行ったところ、下請け企業の定期健康診断個人票の扱いが全く以前と違っていることに気づきました。
それまでは、下請け企業の労働者の健康診断個人票なども現場事務所に置いていることも少なくなかった印象でしたが、個人情報との関係で下請け企業の労働者の健康診断個人票は元請けとして収集せず、下請けとして、現場に送り出す労働者が就労に問題がないような見解等を示す文書の元請けへの提出で代替されていました。法律(安衛法)に抵触する対応ではないですが、個人的には、元請けの健康情報を扱う担当者が個人情報の管理と守秘義務の徹底を行うことで従来通りの扱いでもよいのではと、疑問に思うところもあります。
現行の定期健康診断の法定項目も機微情報に違いないですが、同じ健康情報でも、HIV感染者解雇事件(東京地裁平成7年3月30日判決)が指摘するような社会的偏見や差別意識が問題となるような内容とは違う項目ではと思います。個人的には、労働者の生命や安全の方が個人情報より優位に扱う必要がある場合もあると思います。
③ 少し古い投稿ですが、令和元年5月「山口県医師会報」(第1905号)に以下の記事が投稿されていました(インターネットで検索)。
今月の視点 学校医と学校産業医の常任理事 藤本俊文
「法令上の義務が課せられていない学校においても、学校の設置者は、可能な限り法令上の義務が課せられている学校に準じた労働安全衛生管理体制の充実に努めるべきであるとされたことを踏まえ、各教育委員会において適切に取り組まれたいこと…(略) 産業医の選任義務がない規模の学校についても、教師の健康管理を担当する医師等を置いている場合には、医師等が産業医学の専門的な立場から、教師一人一人の健康確保のためにより一層効果的な活動を行いやすい環境を整備することが考えられるほか、そうした医師を置いていない場合にも、教育委員会として産業医の資格を持つ医師を選任し、域内の学校の教職員の健康管理を行わせるといった工夫が考えられること」
※民間企業と違って、公立学校では、予算上の問題から産業医を引き受けていただく医師の選任問題もあるのではないかと推察しますが、どうでしょうか。
〇近年、過重労働による健康障害防止やメンタルヘルス対策等の重要性が増す中、産業医に求められる役割も変化し、対応すべき業務は増加していること。
を背景に産業医がその職務をより効果的かつ効率的に実施できるよう見直しが行われています。見直し事項は多岐に及びますが、具体的には、
〇厚生労働省リーフレット「働き方改革関連法により2019年4月1日から「産業医・産業保健機能」と「長時間労働者に対する面接指導等」が強化されます」に分かりやすく記載されています。
産業医の先生も産業医の資格を取得するための講習が義務付けられていますが、多忙でもあり、改正内容については、上記リーフレットなどで改めて共有するのも重要と思います。
5 最後に
今回、投稿の機会をいただき、「医師等からの意見聴取と事後措置(就業上の措置)の的確な実施のため」には、例えば一例ですが、全ての公立学校で産業医が他校との兼任も含めて選任され(専門分野も内科以外に精神科、心療内科、整形外科など)、教職員の方々の傷病・疾病等に的確に対応出来る産業医の活動の仕組み(例えばメンタル不調の教職員の方が多く出た学校には、普段は、原則内科の産業医であっても、心療内科の産業医に「意見聴取と就業上の措置」を委任するなどの工夫)も重要かなと思いました(ただ、あるズームで産業医の専門性はあまり気にしなくてよいと考える。産業医は、診察・治療をする訳ではなく、専門性はあまり関係ないと考える。それよりも産業医としての職務をきちんと行えるかどうかの方が重要です。との産業医の先生からのご指摘もあります。のであくまで私見です)。
※今後の参考となる内容が含まれておれば幸いです。